地球の小走り方

Running on the globe-元海外駐在員が就活や転職、海外就職などについてを綴っています。

海外で働くのは珍しくない時代

二度の海外駐在を経て思うのは、今や海外で働くのは珍しくない時代なんだということ。

日本人駐在員はどこにでもいるし、現地の学校を出て、現地法人から採用されるルートだってある。

 

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フランス時代のスパルタ上司

新卒入社した会社はフランス系企業で、1年目に本社パリ配属になったので、海を渡ってフランスへ。

最初の上司は40を過ぎたフランス人女性だった。

優しくはなかったし笑顔もそんなになかった。

機嫌が悪いと机をたたきまくる上司。「こわー…」と思ってた。

でも社会人10年以上過ごし、自分が部下を持つ今なら、机たたいていた意味とか、少しわかる。

己の考えの甘さ、会社は仲良くすりゃーいいってもんじゃない。

 

パリ勤務の頃の甘さ

フランスはヨーロッパの陸続きの地だけあり、人々がいろいろと策略的な部分もあった。

毎日が戦という気分だった。

特に月曜日はみんな不機嫌で、めっちゃ怖かった。

今思うと、職歴を重ねて思うと、自分の考えが甘かったと思う。

外資は即戦力として参戦するのが当然なのに、まだ学生気分が抜けてないことも多かった。

自分の何がこの会社にとって価値なのか。そう考えて動かなければならないのに。

戦う場所なんだ、という意識が薄かった。

単身で行って、友達は学生時代の友人がたまたまパリに住んでいたので、少しはいたが、それにしたって愛想よくまずは友好的にネットワークを築かねば、と考えてた。

だから職場で、友達を増やすような感覚でいたけど、職場はやっぱり争うところなんだよね。

フランス人からの嫌がらせ上等、そのくらいの気概で向かわなければいけない。

私が日本人で、アウェーだから、なんてことは関係ない。

文化・民族関係ないのだ、職場だから戦わなくては。

 

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それでも生涯続く友人もできるから大丈夫

フランス系の会社は各国支社から、若手を集めて何年かパリ本社で修行させ、その後各地に戻していくという面白い新人教育のやり方を取っていた。

私はパリで出会った同じ新卒たちを同期と呼んで、その後も海外出張などある度に世界のどこかで落ち合ったりしている。

そんなに社交的ではない私を、毎回金曜日の飲み会に誘ってくれたラテン気質の友人たちには、感謝しかない。

いや社交的なのか。でも酒に弱いから、毎回短時間で撤退することになる。

毎週毎週、戦った一週間を締めくくる一杯を共にした。

手作りモヒートを作ってくれた友人たち、メルシー(人´∀`)。

その同期たちも、今や8割は新卒で入ったフランス系企業を辞め、皆生き生きとして、自分のやりたいことを見つけて羽ばたいていった様子を見て、頼もしく思ってる。

世界中から集まる、あんなにバイタリティに満ちている若者たちと、いっときでも同じ釜の飯を食べることができたことの幸運。

コロナ禍で若手のやる気を底上げ(3)

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今はコロナで行けなくなってしまった海外出張(とあの頃の癒しの一杯)

職業訓練校としての大学・大学院

ただ、専攻と業務が結びつかないケースの場合(看護学生がIT企業に就職するような例)学歴は採用とは全く無関係になる。

それが間違っているとも言えない。専攻を勉強していくうちに向き不向きが見えてくることだってある。

もしくは専門分野の技術が下火になったり、その業界全体が衰退することだってあるのだから。

今大学から大学院に進学すべきかどうか悩んでいる人たちもいるだろう。

大学院の研究は自分の世界を広げてくれるもの。

自分の専門ネットワーク構築や自己啓発にその時間を使うということもまた有意義だと思う。

特に博士に上がるにつれて、やはり研究寄りの仕事に就こうと考える人が多いだろう。

博士課程を出て、研究職や教職に就かずに私的セクタ―に行こうという人は、それなりの紆余曲折を覚悟する必要があるかもしれない。

企業は院卒社員のためにキャリアパスをカスタマイズするか。

これは企業の目的やビジネスモデルには合わないのでされていない。日本のみでなく、海外でも同じだ。

 

博士卒のスージーを元気づけるには

同じチームで働く20代若手には専門卒・大卒・修士卒・博士卒・弁護士、いろいろだ。

仕事ができることには、多面的な指標がある。仕事の速さや効率・正確さでいえば、タスクによるので、学歴が最も大切な帰属要因とはいえない。

万国共通で求められるアウトカムとしては、効率的に柔軟に仕事をこなすこと。

私はスージーほどアカデミックではなくても、業務をよりテキパキとこなせる人たちと仕事をしていた。

スージーは自分だけ少し年上なのに、大勢の大卒の新卒集団とトレーニングをするのを嫌がっていた。

だけど現実を見よう。板前の見習いはそれまでの経験とは関係なく何歳になっても、見習いから始める。

企業は院卒の人材のために、そうそうフレキシブルになれない。でもそこには正当な理由があるし、それによって生じてしまう自分のキャリアの遅れを自らの工夫や賢さでを克服できるような考え方をできる人が求められていると思う。

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オーストラリアの某アジアンストリート

自分の例でいうと、私は院卒で新卒入社し、その企業は医薬業界であった。

ただ院卒に限定して募集している職種に就いたので、それまで学校で教わったことすべて駆使しての一年目となったのだった。

また、研究生活を経て出会った友人たちが日本の未来を創る研究者・教育者として活躍しているのは本当に素晴らしいことだと思うし誇り高い。(またこの話は別の機会にするとして… )

スージーが「私、博士出て、全然分野違いの仕事させられて、正直うんざりなんです。」と文句ぶーたれている今、私にできることを探すとしよう。

「入社して2か月、Lilianのプロジェクト以外は、本当に苦痛だった」とのたもう彼女。

私は医薬系プロジェクトを担当していたので医学法のスペシャリストだった彼女には興味がぴったりあったかもしれない。

でも会社は産業別の採用などしていないので、彼女の言い分は通らないことになる。

私としては、彼女の気持ちもいろいろわかるので、まずいろいろ技術的な部分での指導をしつつ、「リモートワークでも業務時間中にどこかへ行く場合には前日とか前もって声かけてくれる?
何時間くらいで終わる業務かを前もって見込んで依頼している業務だからさ」とお願いした。

キャリアパス云々も大切だけど、まず会社との契約通り、朝きちんと時間通りに「店を開き」、夕方は仕事が終わってから「店締め」することから始めよう。

海外勤務のあれこれ:コロナ禍で若手のやる気を底上げ(2) 

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オーストラリアの素敵な居酒屋。今はコロナで行けないのだけど、応援しています!

そもそものキャリアについての考え方

スージーキャリアパスについての考えはこうだった。

「私は他の新入社員より5年長く学生をやって、法学で博士号まで取っているので、特別枠で採用されたみたいなもんなんです。」

「ふーん、( ´_ゝ`)。。。」と私。これは結構こじれそうな話になってきた、と正直思った。

でも希望を持って入ってきてくれた社員なのだからして、事情を聞いてみよう。気を取り直した。

「人事と採用のとき、そういう話し合いはしたの?」

したような気がする、とスージーは濁した。多分、していなかったんだろうな、と感じた。

「だから、職位も一番下の新入社員扱いでは、ちょっと。はっきり言うとその上の職位の仕事だって本当はできますし。」

うーん、と私は唸った。できていないと思うけどなー。

一緒に仕事していて思うよ、君はときどき、社会人を3年した人が絶対しないようなポカミスをする。ただ、専門性という意味では、他の新人よりは深い知識を持っているというのは確かかもしれない。正直、複雑だなと思った。

「次の職位の基準に達している、というのは会社全体の基準に合わせてレベルを評価する必要があるから、主観的にはどうであれ、客観指標での評価が必要になってくると思うよ」と私は言った。


新入社員の学歴は海外では重視されやすい?

新入社員の学歴を採用側は見ているのか。教育課程でDrop off(落第)しないでやり遂げること、などは見ているかもしれない。

業種や職種によるがコンサルティング業界ではあくまでご参考程度である。例を挙げると出身県を見るようなものである。

それよりも考え方のプロセス重視でロジックや、瞬時の判断力の良さなどを見ている。

それは、そういうものを業務で重要視するからであり、それがこちらの思うレベルに達しないとしても、まったく生きていく上では問題ない。

彼女だって、きっと法曹界では活躍できる切れ味のよい法律家としての資質を備えているかもしれない。

ただ、会社のビジネスの目的を果たすかどうか、とアカデミックな学術専門家として優れているかどうかは全くの別問題なのだ。

 

欧米各国で共通して見えてきたこと

私は日本だけでなく、イギリス、アメリカ、フランス、オーストラリアの人材採用事情に関わりいろいろと考えた。

私的セクターの企業に就職する場合、業種によっては学歴は、大卒以上すべて一律で差を見ない傾向にある。

だから大学院教育は私的セクターにて働くことにまったく意味がないのか?

そうは思わない。より大学教員のレバレッジを利かせるには、学校で専攻した内容がそのまま業務に役立つような会社・組織に行くことは可能だし、本人にとっても大切だと思う。

だからこそ、就活で自分の可能性を現実的に吟味する作業が必要なのだと思う。

(続きます。)

海外勤務のあれこれ:コロナ禍で若手のやる気を底上げ 

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コロナ渦で静まり返ったオーストラリアのビーチ

コロナ渦で、若手のやる気を底上げする

コロナ渦でリモートワークになった今、プロジェクトを引っ張ることに難しさを感じる局面もある。

Susie(スージー)は今年の新入社員で弁護士の資格あり、まだ右も左もわからない割にはよくやっていた。

そりゃあ、社会人最初の一年なのでやっぱりミスは多い。仕方のないことだ。

ひととおり覚えるまではみんなポカポカミスをする。

そして仕事だってそんなに早くない。スライド2枚作るのに一日かけたりする。

それだって慣れないうちは仕方ないことだし、育成という面からはいろいろ改善点を言ってあげないといけないのである。

ただ彼女はミスしたときに指摘をされると少し、いや、大分むっとする癖があった。

 

指摘するのはエネルギーがいる

あまりにあからさまなので、その「むっ」とする時間を改善にあてたほうがいいと思った。

当然ながら、指摘しないで自分で手直ししてしまうほうが、心理的にも、時間的にもストレスもなく無駄もない。

本当はネガティブなことを言ったあとに流れる空気や気まずさもそんなにいいものじゃない。

なんで仕事をちゃんとやってもらえなかったうえに指摘をやむを得ずして、こちらが気まずい思いをしなきゃいけないのだ…

しかも業務中にまだ終わっていないのに、というか本人が自分で自分の仕事にOKを出してしまい、ミスだらけの書類を放置してどこかに出かけてしまうのだ。

それもコロナ渦では仕方ないと思うべきなのか?

こんなときに新入社員になると、またこれも組織の責任で、人材の指導が大変なのだろうなと思う。

出かける先は、スーパー、ネイルサロン、ジムなど、いろいろあった。2時間くらいすると戻ってくる。

「どこへ行くの」と聞くの悪びれずに言う。「スーパーにお買い物」とかね。

こちらもあまりうるさいことはいいたくない。でも何も超過勤務をお願いしてないし、ふつーの午前9時から午後5時の間に全力で物事に取り組んでほしいと言っているだけだ。そういうレベルだ。

部下を育てる気持ちは大事だが、部下が一生懸命学ぼうとしている場合はそうである。彼女は明らかにそうではないと思える部分がやはりあった。

こんなマインドセットを変えるべく、どこか別のプロジェクトで滝に打たれてきてほしい。

自分のプロジェクトはあまりハイペースなものを新人には任せないようにしているからだ。

そこで、もっとハイペースなプロジェクトに引き取ってもらって数か月修行を積んでから戻ってもらおうと、いろいろ画策した。

 

社内での相談相手

誰か相談できる相手はいないかなと思い、いろいろ当たってみた。人材チームの同僚や、他のプロジェクトで人材を探している人たちなど。

でも数か月のプロジェクトに配属されても、彼女は自分で「私の仕事はほとんどない」と言って出てきてしまうのだった。「このプロジェクトは人がたくさんいて、私の出番はほとんどないからLilianのプロジェクトに戻る」と。

そう思っていたら、やはり、みな他のプロジェクトでもスージーは一緒に働きづらいと考えているようで、どんどん彼女をプロジェクトに引っ張る人たちが減っていった。


滝には打たれない

他のプロジェクトでもあまり負荷が大きいと、例えば出張で生産工場を査察しなくてはならない場合など、気に入らないと思うタスクを断ってしまう。

人生の滝をひょいと避けて歩く人。

それを承諾する人たちもいけないが、一緒に働いてみて頼りにならないと思ってあきらめているのだろう。

なんで、こんなちゃっかりしたカツオくんみたいなタイプが採用されてしまうんだ。。。

うう…まじめなワカメちゃんみたいな人とも働きたい。。。

そんなある日、私はプロジェクト評価をする面談をしようとスージーをカフェに連れ出した。

コロナに関する規制がいったん少し緩まった頃、オフィス内のカフェはまだ閉まっていたが、オフィスの近辺のカフェは空き始めたのだった。

スージーは自分のキャリアパスについての持論を展開する。

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海外で働くきっかけ(2):上司が驚いた海外からの一本の電話

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上司が驚いた一本の電話


ある日、電話がアジア地域のリーダーであるジョンから日本支部の産業部門リーダーである私の上司に来た。


まずは「今アジア太平洋地域で医学系刊行物の編集や、アジア地域間で協働してビジネス・デベロップメントをリードできる人を探している」と。

「それで、君のチームのLilianは業界知識や経験もあって、積極的に動けるし、コミュニケーションも取りやすい。
よくフィットするんじゃないかと思うんだけど、どう思う?」

上司のGregは翌日、驚きながら、「コンサル30年以上やってるけどさ、アジア太平洋チームへのスカウトなんて初めてだよ」と私に話してくれた。

Gregは日本人だがアメリカで教育を受けていたので、日本名の他にGregという英語での名前(English Name)を持っていた。

Gregは、悪い話じゃないと思うよと言った後で、いい経験になるから良く考えるように言った。

私も驚いた。

驚いたし、まあ、いい話ではあるけども、なんだかんだいいながら、彼の側近になる人ならオーストラリア人を採用したほうが早かろうと思って、あまり深く考えずにいた。毎日目の前の仕事に忙殺されていた。

そうしたら翌週に私の携帯にジョンから電話がかかってきた。

 

本気の話だった
ええー、、、もしかして本気だったのか。
「あ、もしもしLilianです。」
「ジョンだけど、君の上司のGregに話したよ。多分のこのポジションは君にによくフィットしていると思って声をかけたんだ」と説明してくれた。

その時は10月で、翌年の1月には勤務を始めてほしいという。

そ、そんなにすぐに?

実はそのとき、私は東京の生活を謳歌していて、わざわざ南半球に行く理由もそんなに見つからないと思っていた。

ちなみにすでに一緒に仕事をしていた中で、真夜中のメールのやり取りも多々あったしオーストラリアだからといって、毎日夜6時に終わるような仕事ではないとわかっている。

つまり、この駐在はプチ休暇になんて絶対ならない。

結局悩みに悩んだ。一か月後に答えを出すよう言われていて、一か月丸々かけて迷った。

そのときは、悩んでいるときに立ち消えになるかもしれないと、思っていた。

よくある「動くかもしれない」けど結局条件の面で折り合いがつかず、立ち消えになったりするのでは、と考えていた。

もしくは何らかの原因でビザがおりなかったり、とか。うだうだ。

今思うと、このときはまさに人生の岐路だった。

そのときはひとつの海外プロジェクトに関わるくらいにしか考えていなかったが。

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海外で働くきっかけ(1)

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Expression of Interest:
あなたのプロジェクトに興味あります。                     

私の周りで働く若手はとても積極的だ。


データ上で私のプロジェクトを見つけて、「社会的貢献度が高い仕事をしたかったんです。」と面談を依頼された。         

こんな熱い感じを超すくらいの情熱を見せたほうがいいと思う。

逆に、私の新人の頃のように「しろというならやります」的なスタンスでは、やる気のない者扱いされてしまう。             

立候補してきてくれる、やる気のある若手と働くときはプロジェクトとの相性を見つつ、こんなにやる気に満ちたオーストラリア人たちに囲まれて、私も受け身ではいけない、と思う。       

 

どこかでだれかが見ていた     

このようなオーストラリア人社員の熱血ぶりに相対して、日本法人で勤務していた頃、私はオーストラリアに行きたいとかオーストラリアで仕事したいなどと、一言も言ったことがなかった。

でも今から思い返すと、私がオーストラリアで働くことになったきっかけは、とある毎月のグループミーティングだった。

そこで自分の専門とする産業のアジア太平洋リーダーと話す機会があった。

彼はオーストラリア人の弁護士でジョンといった。

毎月に一度、各国で実施されているプロジェクトの内容や新しいソリューションをそのジョン率いるグローバル法人と共有した。

実際にこんな会議は、自分の人事評価とは無関係だった。

結局自分たちのビジネスにとって有益なことだと、その概念や目的にも賛同していたので参加していた。

何かあると、頻繁にそのリーダーと話したり、自分のチームでの成功事例などを共有していた。  

アジア地域のクライアント向け刊行物を書く内部のプロジェクトに入り、私は日本の産業ニュースを四半期に一度記事にし、ウェブサイト上にアップロードした。

それは、あまり深い意図もなく、

ただ誰もやらないなら、やりましょうか、くらいの考えで一度引き受けたのでやっていたことだった。

いつも締め切りは四半期のとある金曜日の夜だったので、自分のプロジェクトが終わった夜遅くに、金曜日の飲み会が終わった後に、土曜日の朝3時までかけて終わらせ、締め切りは這ってでも守っていた。      

 

そんな目まぐるしい日々を送っていたある日、オーストラリアから一本の電話がかかってくることになる。

プロジェクト繁忙期に休む

前回に続く破天荒くんの軽い上司いびりならぬ、冷や汗をかいた話。

プロジェクト繁忙期に2週間いきなり休んだことがあった。でも、そうでもなければ燃え尽きそうだというから仕方ない。
それは燃え尽き症候群には、風邪のようにすぐに効く特効薬はないので、予防が第一だからだ。

 

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オーバーワークの続くプロジェクトにはいる

オーストラリアはブラック企業がないイメージだがそんなこたーない。

業界のプロジェクトのスピードによるものであるから、ある程度は仕方ないのである。


業界中では離職率が高く、それはよく知られた事実だった。


常に2,3のプロジェクトに入れ代わり立ち代わり入るためオーバーワークが続くことはよくあることだった。

 

オーストラリアで働くイメージ

上司は意地悪くて部下を働かせているわけではない。

ただ、他の国と共同のプロジェクトなどが多く、時差があるプロジェクトなどもちろん会議は夜中までになる。

仕事が終わらないから上司も前日の夜の9時に、「あのデータ、明朝のコンフェレンスで使いたいんだけど」とのたまう。

最終締め切りは「土曜日の夜で!」とか明るく言われる。

オーストラリアに来る前は、私もオーストラリアと言えば青い空の下牧場で牛の乳しぼり的なイメージをしていた。

バスの運転手と他のバスの運転手がG'dayとすれ違いざまに笑いかける、そんなおおらかなシーンはたまに見かける。
でもそれは、みなにあてはまることでもない。


それでも助けを求めるのはいいことだ
破天荒くんに、今回「月曜日から2週間休む」と、金曜日の午後にいわれたときには、ちょっとうろたえたけど仕方ないことだった。

こういうのは最適なタイミングなどなくて、他のプロジェクトで力を使い果たして「もう限界」ってことだったんだろう。身も心もボロボロですっていうサインだ。

だから助けを求めるのはよいことだと思う。ただ、1週間くらい前に言ってもらえると人員配置などもうちょい調整できるので…助かります。。。うぐぐ。

結論は、急に休むのは上司が結構冷や汗かくけど、結果的には破天荒くんが2週間休めたので、燃え尽きないでよかったな、ってことだった。

あまり知らない同僚が、たまたま側に座っていた私にくれたチュッパチャップスをほおばりながら、穴埋め作業に取り掛かった。

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