地球の小走り方

Running on the globe-元海外駐在員が就活や転職、海外就職などについてを綴っています。

コロナ禍で若手のやる気を底上げ(3)

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今はコロナで行けなくなってしまった海外出張(とあの頃の癒しの一杯)

職業訓練校としての大学・大学院

ただ、専攻と業務が結びつかないケースの場合(看護学生がIT企業に就職するような例)学歴は採用とは全く無関係になる。

それが間違っているとも言えない。専攻を勉強していくうちに向き不向きが見えてくることだってある。

もしくは専門分野の技術が下火になったり、その業界全体が衰退することだってあるのだから。

今大学から大学院に進学すべきかどうか悩んでいる人たちもいるだろう。

大学院の研究は自分の世界を広げてくれるもの。

自分の専門ネットワーク構築や自己啓発にその時間を使うということもまた有意義だと思う。

特に博士に上がるにつれて、やはり研究寄りの仕事に就こうと考える人が多いだろう。

博士課程を出て、研究職や教職に就かずに私的セクタ―に行こうという人は、それなりの紆余曲折を覚悟する必要があるかもしれない。

企業は院卒社員のためにキャリアパスをカスタマイズするか。

これは企業の目的やビジネスモデルには合わないのでされていない。日本のみでなく、海外でも同じだ。

 

博士卒のスージーを元気づけるには

同じチームで働く20代若手には専門卒・大卒・修士卒・博士卒・弁護士、いろいろだ。

仕事ができることには、多面的な指標がある。仕事の速さや効率・正確さでいえば、タスクによるので、学歴が最も大切な帰属要因とはいえない。

万国共通で求められるアウトカムとしては、効率的に柔軟に仕事をこなすこと。

私はスージーほどアカデミックではなくても、業務をよりテキパキとこなせる人たちと仕事をしていた。

スージーは自分だけ少し年上なのに、大勢の大卒の新卒集団とトレーニングをするのを嫌がっていた。

だけど現実を見よう。板前の見習いはそれまでの経験とは関係なく何歳になっても、見習いから始める。

企業は院卒の人材のために、そうそうフレキシブルになれない。でもそこには正当な理由があるし、それによって生じてしまう自分のキャリアの遅れを自らの工夫や賢さでを克服できるような考え方をできる人が求められていると思う。

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オーストラリアの某アジアンストリート

自分の例でいうと、私は院卒で新卒入社し、その企業は医薬業界であった。

ただ院卒に限定して募集している職種に就いたので、それまで学校で教わったことすべて駆使しての一年目となったのだった。

また、研究生活を経て出会った友人たちが日本の未来を創る研究者・教育者として活躍しているのは本当に素晴らしいことだと思うし誇り高い。(またこの話は別の機会にするとして… )

スージーが「私、博士出て、全然分野違いの仕事させられて、正直うんざりなんです。」と文句ぶーたれている今、私にできることを探すとしよう。

「入社して2か月、Lilianのプロジェクト以外は、本当に苦痛だった」とのたもう彼女。

私は医薬系プロジェクトを担当していたので医学法のスペシャリストだった彼女には興味がぴったりあったかもしれない。

でも会社は産業別の採用などしていないので、彼女の言い分は通らないことになる。

私としては、彼女の気持ちもいろいろわかるので、まずいろいろ技術的な部分での指導をしつつ、「リモートワークでも業務時間中にどこかへ行く場合には前日とか前もって声かけてくれる?
何時間くらいで終わる業務かを前もって見込んで依頼している業務だからさ」とお願いした。

キャリアパス云々も大切だけど、まず会社との契約通り、朝きちんと時間通りに「店を開き」、夕方は仕事が終わってから「店締め」することから始めよう。