地球の小走り方

Running on the globe-元海外駐在員が就活や転職、海外就職などについてを綴っています。

海外で働くきっかけ(3):海外出向を反対する意見

前回 に続く海外出向を決めたときの話。

ontheglobe.hatenablog.com

 

 

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とある年の秋深まる頃のお話

職場では私が日本を出ることに反対をする人もいた。せっかく日本での業務で成果を出し始めていた頃だった。

幸運なことにいろいろな業務に、当てにされてもいた。

ただでさえ人不足の業界だし、相変わらず離職率は高い。

他のプロジェクトで関わっていた上司は「今外に出るのはせっかくスキルが育ってきたところでもったいないよ」と行く気が出ている私をなだめた。

それでも私の日本の上司のGregは「まあ、今やってることはまた日本に戻ってもできるよ。とりあえずいい経験になるよ」と後押ししてくれる。

よく考えると、あのときGregの後押しがなければオーストラリアに来なかったと思う。

東京はなんでもあって便利だし、夜は居酒屋だって朝の5時まで開いているし(居酒屋のために東京にいるわけではないけど←ほんとうは大分あると思う…。)

よく働き、よく遊ぶことのできる構造になっていた。

青春を謳歌できる素晴らしい仕組みが東京にはあった。

それに比べたらオーストラリアは(都市を問わず)少し閑散としている、と思っていた。

レストランだって夜の10時にはすべて閉まる。電車も時間通りに来ないし。うだうだ。

ただ、誰かがこんなに海外勤務を勧めてくれることは、人生でもうないだろうなあ。

結局1年くらいはがんばってみるか、と、重い、重すぎる腰を上げた。

それからそのあと日本でまた同じチームに戻っても損はないのではないかと思い11月にわたしは承諾の返事をしたのだった。

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ただし年始は急なので、新しい仕事は2月に日本からリモートで始め、当時日本国内で従事するプロジェクトの終わる3月以降ということで、4月の開始になった。

「ビジネスビザ申請は結構時間がかかるから、結局7,8月になるんじゃないの」と高をくくっていた。

そしてビジネスビザ(ビザ457)の申請をしたら、ほんの3週間で何の問題もなく降りた。

その前に前職で赴任した、フランスのビジネスビザは申請から承認まで最低6か月はかかったので「オーストラリアはこんなに簡単に降りるのか。」と驚いた。

 

両方とも企業がスポンサーになっており、ビザの条件もほとんど変わらない。

「えーっ!これはすごい、何の問題もなく、ひょっとして、行くことになる!」と、出発の3か月前にパスポートの申請をしながら、
予想外のスムーズさに「世の中一体どうなってんだ」と、頭が混乱してきた。