地球の小走り方

Running on the globe-元海外駐在員が就活や転職、海外就職などについてを綴っています。

海外勤務のあれこれ:コロナ禍で若手のやる気を底上げ 

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コロナ渦で静まり返ったオーストラリアのビーチ

コロナ渦で、若手のやる気を底上げする

コロナ渦でリモートワークになった今、プロジェクトを引っ張ることに難しさを感じる局面もある。

Susie(スージー)は今年の新入社員で弁護士の資格あり、まだ右も左もわからない割にはよくやっていた。

そりゃあ、社会人最初の一年なのでやっぱりミスは多い。仕方のないことだ。

ひととおり覚えるまではみんなポカポカミスをする。

そして仕事だってそんなに早くない。スライド2枚作るのに一日かけたりする。

それだって慣れないうちは仕方ないことだし、育成という面からはいろいろ改善点を言ってあげないといけないのである。

ただ彼女はミスしたときに指摘をされると少し、いや、大分むっとする癖があった。

 

指摘するのはエネルギーがいる

あまりにあからさまなので、その「むっ」とする時間を改善にあてたほうがいいと思った。

当然ながら、指摘しないで自分で手直ししてしまうほうが、心理的にも、時間的にもストレスもなく無駄もない。

本当はネガティブなことを言ったあとに流れる空気や気まずさもそんなにいいものじゃない。

なんで仕事をちゃんとやってもらえなかったうえに指摘をやむを得ずして、こちらが気まずい思いをしなきゃいけないのだ…

しかも業務中にまだ終わっていないのに、というか本人が自分で自分の仕事にOKを出してしまい、ミスだらけの書類を放置してどこかに出かけてしまうのだ。

それもコロナ渦では仕方ないと思うべきなのか?

こんなときに新入社員になると、またこれも組織の責任で、人材の指導が大変なのだろうなと思う。

出かける先は、スーパー、ネイルサロン、ジムなど、いろいろあった。2時間くらいすると戻ってくる。

「どこへ行くの」と聞くの悪びれずに言う。「スーパーにお買い物」とかね。

こちらもあまりうるさいことはいいたくない。でも何も超過勤務をお願いしてないし、ふつーの午前9時から午後5時の間に全力で物事に取り組んでほしいと言っているだけだ。そういうレベルだ。

部下を育てる気持ちは大事だが、部下が一生懸命学ぼうとしている場合はそうである。彼女は明らかにそうではないと思える部分がやはりあった。

こんなマインドセットを変えるべく、どこか別のプロジェクトで滝に打たれてきてほしい。

自分のプロジェクトはあまりハイペースなものを新人には任せないようにしているからだ。

そこで、もっとハイペースなプロジェクトに引き取ってもらって数か月修行を積んでから戻ってもらおうと、いろいろ画策した。

 

社内での相談相手

誰か相談できる相手はいないかなと思い、いろいろ当たってみた。人材チームの同僚や、他のプロジェクトで人材を探している人たちなど。

でも数か月のプロジェクトに配属されても、彼女は自分で「私の仕事はほとんどない」と言って出てきてしまうのだった。「このプロジェクトは人がたくさんいて、私の出番はほとんどないからLilianのプロジェクトに戻る」と。

そう思っていたら、やはり、みな他のプロジェクトでもスージーは一緒に働きづらいと考えているようで、どんどん彼女をプロジェクトに引っ張る人たちが減っていった。


滝には打たれない

他のプロジェクトでもあまり負荷が大きいと、例えば出張で生産工場を査察しなくてはならない場合など、気に入らないと思うタスクを断ってしまう。

人生の滝をひょいと避けて歩く人。

それを承諾する人たちもいけないが、一緒に働いてみて頼りにならないと思ってあきらめているのだろう。

なんで、こんなちゃっかりしたカツオくんみたいなタイプが採用されてしまうんだ。。。

うう…まじめなワカメちゃんみたいな人とも働きたい。。。

そんなある日、私はプロジェクト評価をする面談をしようとスージーをカフェに連れ出した。

コロナに関する規制がいったん少し緩まった頃、オフィス内のカフェはまだ閉まっていたが、オフィスの近辺のカフェは空き始めたのだった。

スージーは自分のキャリアパスについての持論を展開する。

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