地球の小走り方

Running on the globe-元海外駐在員が就活や転職、海外就職などについてを綴っています。

知り合いを伝手で面接に通すのはあり?

またもや破天荒くんの登場です。今回は上司いびりではないのですが、ちょっと不思議な話を持ち掛けてきた。

f:id:lilian_globe:20200921214230j:plain


破天荒くんが友達の
Nさんを職場に雇いたいという

Nさんは、アジア人でその昔同じ会社の中国法人にて働いていた。
その後、ご自身の意志で日本法人に転籍し、うちの会社をやめている。

破天荒くんとは友達で、会社をやめてからも3年くらいずっと連絡を取り合っていた。

そんな彼女が豪州法人に応募したい、と言っている。

 

なぜ人事をすっ飛ばす?

私はプロジェクトで一緒に作業する際に、破天荒くんから、かくかくしかじかでこういう人が転職に応募する予定です、と言われた。
すでに本部長レベルのトップと話しているという。

私は人事の面接に駆り出されていたので人事戦略と、目指している方向性を知っていた。

それで「たぶん頭数を人事が管理しているからいきなり本部長に言っても難しいと思うよ」と意見した。

悪びれる様子もなく「ふーん、本部長はあんまり力がないんですね ( ´_ゝ`)フーン」

と一言。

 

結局コネ入社は・・・

結局、破天荒くんのお友達の彼女の一件は、本部長自身が周りの人事戦略に関わる部長たちから反対を受け、

それでも本部長は推したいと思ったので、一応オファーした。が、急に予算をそんなにきちんと組めるはずもなく、そのうえで決めたオファーはいまいちな内容だった。

彼女は夫と子供の分のビザのサポートが必要だった。そのため会社は家族の分もビザサポートするが、そのかわり職位を下げる、と言われたらしい。

彼女はたいそうご立腹で、断ったらしい。
破天荒くんは、悪びれる様子もなく

「やっぱ、本部長はあんまり力がないんですね ( ´_ゝ`)フーン」
と繰り返した。

友達を自分の勤める会社の面接に通したいときは、正当なルートで通そう。

重要会議でもラフな格好

破天荒くんのちょっとした上司いびり、続きます。

f:id:lilian_globe:20200927212332j:plain


服装はカジュアルなイメージ

オーストラリアの職場は服装がカジュアルかもしれないが、業種柄、クライアント先に行くことが多いので標準のオーストラリア企業より少しかっちりめだと思う。

基本的に金曜日以外はフォーマルだ。ジーンズにチェックシャツで仕事をする、そういう映画の中のようなイメージからは少し遠い。

ちなみに、色などには制限がない。その点では黒・紺・白が推奨される日本より派手目な色の製品が多い気がする。

 


なんでそうなるの?

破天荒君はなぜか、私とのプロジェクトにはとってもラフな格好で来た。

ビデオ会議の遠隔設定や資料作成で忙しいので、何も考えずに直前まで資料をカチカチと直していた。

ふとビデオ会議が始まって、自分の後ろでカメラに映る破天荒くんを見てぎょっ!とした。また冷や汗。(;'∀')

仕方ないのであたふたと破天荒くんはカメラに映らないところに動いてもらい

会議のあとで「重役も集まるフォーマルな会議だから、パーカーはだめよ」と注意した。


その後もなぜかビデオ会議の3回分くらいパーカーで参上した。2回目からも注意したが、なぜかジャケットを忘れてしまうのだ。

ジャケットくらい、会社に置いておこうよ。。。

すみません、と謝り「奥さんに会社にジャケット届けてもらう」などといって電話しようとするので、仕方ないから会議は欠席扱いにした。

 

 

ジャケット安いやつ一枚置いといて

とある若手社員と話した。「最近だって翌日のスケジュール見て、服装決めるでしょ。」と私。その若手社員はそんなの当然ですよ、と言っていた。

暗にプロジェクト参画がいやだったのかも。やっぱ今はやりの上司いびりかなあ。

まあ、いいから次までに安いジャケット一枚会社に置いといてくれよ。

あと服装をきめるときは、当日のスケジュールを一度おさらいしておこう。

それでもパーカーで来たいなら…好きにしてくれ!!😅

オーストラリアはのんびりしているという通説

f:id:lilian_globe:20200918233854j:plain


ゆったりオージー生活へのあこがれ
                                     

オージー生活のブログは結構あるが、ワーホリの生活が中心に描かれているものが多い。

そして「オージーは結構のんびりしている」という意見は聞く。

あれは、そうしたブログなどのオンラインの情報と、観光で来た人々の印象によるのだろう。 

それに、自分が学生の頃オーストラリアに来た際は、東京よりはゆっくりしているように感じていた。 

実際、普通の駐在員としてビジネスビザで入った人々は、日本と同じように働いている。

もっとも上司によってはもっと裁量性が高い場合もあるのかもしれない。

ただ、産業によってはハイペースのところもあり、「オーストラリアはのんびり」は

絶対あてはまらない。

                                          

ハイペースのオージーに囲まれて                         

とういうわけで、オージーでもハイペースの人はいる。

翌朝会議の資料作りを前の日の夜9時に頼んでくる私の元上司とか。

ちなみに元上司はとてもいい人で、私が週末に働いているときは、彼もいっしょになって働いていた。

なので、9時から5時で働こうと決めた人にとって、そうした幻想を持って入ってくると、相当にきついと思う。
場合によっては夜中の2時、3時までみんなガリガリやっている部署もある。

私は、駐在員として赴任当初、このオージーのモーレツ勤務ぶりにちょっと驚いた。

が、ちょっと考えるとそういえば、日本事務所に比べても売り上げは安定して伸びており、(インフレも手伝ってはいるが)「そりゃー、働くからこそ、この売上になるんだよな」と納得した。

f:id:lilian_globe:20200918233628j:plain
南半球の都会の森をビジネスマンは今日も闊歩してゆく。

軽く上司いじめをする方法

f:id:lilian_globe:20200917215412j:plain


コンサル業界のプロジェクト形態として、一人の上司に尽くして働くのではなくプロジェクトごとに上司が変わる。
2年や3年のプロジェクトにならない限り、平均して2-3か月ごとに上司は変わっていくという恰好になる。
みんな人間なのでその中で、気の合う人や気の合わない人がいると思う。
今回は私のチームで一緒に働いた破天荒な彼の、これは新たな上司いじめとして有効だ!と開眼した話を何回かに分けてお届けしたい。
彼はいろいろな面で破天荒だったので、破天荒君と呼ぶことにする。

「確かにこれをやれば次回はプロジェクトに誘わないよなあ。うん、なかなか賢いなー。」って感心している場合ではない。実際に冷や汗たくさんかいたし😅
まず一つ目のエピソードである。

破天荒くんのバックグラウンド

破天荒くんはアジア圏生まれ(国は彼の人格とは関係ないので、ご想像にお任せします。。。)の日本育ちでおじいさんが日本人だった。祖国から11歳で日本に移民したが、言葉の問題もあってあまり周囲と馴染めず、大学は海外に出て、アメリカに留学し、会計士の試験を受かっている。

その後彼は新卒で競合会社に入り、その1年半後、うちの会社に移ってきた。
そしてその2年後結婚をして、子供ができたが奥さんが韓国人で日本語を話せず、奥さんが言葉の通じる英語圏で受け入れてくれる事務所を探していた。
アメリカは移住政策に厳しく書類が通らず、そんな中でとある部署に空きが出たオーストラリア事務所に転籍をした。


クライアント先で一緒に仕事をしたある日

クライアント先のオンサイトでの仕事を一緒にするのは初めてだった。一緒に車で出張した際、いろいろなことを話した。日本にいる家族ととても仲が良いこと、日本の高校では陸上をやっていたこと、韓国人の奥さんとは留学先のアメリカで出会ったことなど、
物腰柔らかで、一緒にオーストラリアに来てくれた奥さんや子供をとても大切にしているのが分かった。

とまあ、とても丁寧なひとだと思っていたので、特に心配はしていなかったが
問題が起きたのは自己紹介のときだ。

クライアントは大学だったのであった人々はみな研究者や講師だった。穏やかな雰囲気で自己紹介が始まった。こういう場合の自己紹介って、当たり障りない範囲で自分の経歴者、今の担当部署の仕事や役割と、今回の仕事に紐づいた過去の仕事などを紹介する場である。

私はさらさらと無難な自己紹介をした。信頼のおける者と思われたい、これは普通のビジネスパーソンの願いである。
そのあと破天荒くんが続いた。
「x社y部署のAと申します。X社のオーストラリア事務所は1年前に移ってきました。日本のx社はM&Aや戦略分野を担当していました。
日本のx社は規模でいうと、すごい小さいっすよ。まあ誰かが聞いてもあまり知られていないくらいの会社です。なんでそんな規模かというと…」

彼は悪びれず、にこにこしている。
ん??
( ゚Д゚)

私はびっくりして固まっていた。大学側の人たちもびっくりである。
欧米では業界内では最大級の大きさで、日本でも規模が小さい部類にははいらないのではないかな。
そして実は、大きさがどうのという部分はまあどうでもいい。

それより…なぜ自己紹介で、急に自社を卑下するのだろう。メンタリティーの問題である。これから新たに関係を築く人々に向けて、君が敢えて言ったネガティブな情報は必要なの?!と言いたかった。

第一印象を決める自己紹介

というわけで、彼はいくら仕事ぶり良くても、クライアント先にて単独で動いてもらおうとは思わなくなった。
そしてこんなにひどい、というか意図もよくわからない自己紹介をして、この先彼がどうステップアップしていくのかも気になった。

会社では、プロジェクトごとに評価が下りる。
彼は私とのプロジェクトではまあまあの評価だったのに、他のプロジェクトではまったくもってひどい評価ばかりだった。

彼に相談をされた。「チームとうまくいかないんです。」
一生懸命にやっているけど、なかなか歯車が噛み合わない。
この間の自己紹介は確かにやばかったけど、結構細かく見ているし、そんなに質の低い仕事をする感じではないのになあ、と思い周囲の人に聞いてみた。
そしたら驚くことに、
彼は自分のチームメンバーの失敗をクライアント会議で議題にしてしまう、そういう癖があった。
また、そんな自爆行為…
何か問題があったら、まず、チームで話し合って解決してからクライアントとの会議に行けばいいのに。
でも、もしかすると彼はそういうクライアントの前でチーム員より自分が正しいとマウンティングすることに快感を得ていたのかもしれない。
ちょっとした人の癖だよね、社会人としてはどうかと思うけど。
当然、人間関係からプロジェクトは回らなくなり、みな大事なクライアントとのプロジェクトに彼を登用しなくなったのである。

たかが自己紹介。されど自己紹介。愛社心とか情熱なんて、なければ見せなくていい。
所詮第二新卒の2社目の位置づけだし。

ただ、会社の外で会社の名前を使って仕事をするときは会社の顔になっているということ。
それを考えて動くのは当然で、個人主義のオーストラリアでもそうだ。

今日は、自己紹介は人格出るよね、って話でした。自社を貶めるようなことをクライアント会議で発言すれば、上司は嫌な汗をかくこと間違いないです。

私も冷や汗をかいた、とある日差しの強い日のオーストラリア。

f:id:lilian_globe:20200917215730j:plain

就活応援隊:コロナに負けるな就活生

 

f:id:lilian_globe:20200914114820j:plain

このブログについて

はじめまして、管理人のリリアンといいます。
在豪6年目のとある外資系コンサル会社に勤務する元駐在員です。
海外出向は今まで2回、1回目はヨーロッパ、2回目はオーストラリアへ。

このブログでは激務の末、駐在員となり海外勤務になった経緯などお伝えしたり、現在の海外での激務やサバイバルライフについてを考えてみたり。
ブラックともグレーとも言えない企業でせかせか働きながらも幸せを感じたい。
 
2020年、コロナになり、オリンピックも延期され大変な時期ですが、海外でチームの採用にも関わる観点から現代就活のヒントを発信してゆければと思います。南半球の就活応援隊です。

 

日本のすごさを感じるとき

この世界にはまだ感じる風や匂いがきっとある。
この世界にはこれから待ってる出会いがきっとある。
でも海外のすばらしさを味わった後で、きっとまた日本のすばらしさにも気づく。

日本は純粋にすごい。
純粋にすごいって何、と言われると、本当にすごいんです。他国の人々と仕事をしていて思うけど、日本人は仕事上いろいろなことを約束通りに実行し、信頼のおける人々、と一般的にはやはり思う。
たとえばこの落とし物センターの記事。。。道に落とした39億円が返ってくる国???

www.nippon.com

拾っても「ちょっとバーで一杯やるためにもらっておこう」、とか「バス賃の足しにしよう」とか起こらないわけです。
こんなことオーストラリアではまず起きない。まず無理。どちらが上とか下ということではないけど、これは事実。
日本は社会的な信頼度が圧倒的に高い国で、本当にすごい。
(規律や道徳心に訴えすぎるあまり、ちょっと閉塞感を感じる人もいるかもしれないけど。)

ただ、国や文化にPerfectionはない。
でも少し遠く離れて外からみると、輝きを放つ国があるのです。それが日本。
コロナで大変な時期だけど、日本なら大丈夫。きっとリカバーできる。

がんばれ、がんばれ、就活生❕ (^▽^)
Go Go、ニッポーーン!!

南半球で片隅で心から叫んでいます。

バーチャル面接:何を採用者は見ているの?

今回は海外在住応募者との中途採用の面接を事例にしました!
ロシア・アメリカ・マレーシアなどなど、海外からの応募者がオンライン面接に挑んでいます。オーストラリアは欧州・アジアからでも人気のよう。
以下こちら側の準備から、ポイントまでいくつか語りました。

f:id:lilian_globe:20200915150027j:plain



1.プレ面接ですること

 まずCV(履歴書)を見るのだけど、人事から上がってきたものなので社内の一次を通過しているとCVを見ている。

私は、誰のキャリアにも輝きがあると思って読んでいる。大切なのは、実務との相性だと思う。

人事と違い、現場で働く側にとって、技術や知識の問題をくまなくチェックする。

もちろん言語的に英語が問題ないか、も超重要事項である。

(これはいつかまた別の機会に語りたいが、英語の流暢さはコミュニケーションにとても大切だけど、実は最重要事項ではないと、仕事をしていて思う。)

 
あと業界的に、ケース面接(実務に関するクイズのようなもの…)を実施するのだけど、その準備も他の面接官と打ち合わせておく。

 

2.面接では、どこが比重の高いポイントか

やはり会社との相性、はあると思う。
例えばコンサル会社から競合に移る場合:各社の3年離職率が恐ろしく高いので要注意である。まず移る理由を詳細に説明してもらう。
これまでの面接では、競合から移るのは「またやなことあったら、競合に移っていくだろうな」と雇う側も思いがち。
それもやはり人事はデータ取っていて、そうなる傾向だという。

なので競合から移るひとはよほど人手不足で成長著しい部署か、一芸に秀でない限り、他の応募者と比較すると通りにくい面もある。

 

3.スカイプ面接:無限の可能性

スカイプだから印象が悪いというのはない。スカイプなので気楽に挑んでほしいなと思う。
正直なところ、このご時世ビデオ会議で威力を発揮できないようでは、グローバルプロジェクトを任せられないのでは。リモートでもいかんなく力を発揮できる人が選ばれると思う。

あと、面接でいつも思うこと。

遠慮しなくていいんです。実績をひけらかしてよいと思う。業界にもよると思うが、謙虚になりすぎずに、堂々と今までやってきたことを語ってください。

会社にとって何があなたの貢献できる価値でしょう?
5年後、10年後はどんな素敵なことをしていたいですか?

面接は照れずに夢を語る場なのです。

がんばれ、就活生!こっそり応援してます。(人´∀`)

海外勤務のあれこれ:人種差別なんて今どき・・・あるに決まってる!

f:id:lilian_globe:20200914154446j:plain


海外で働くということを考えたとき自分はマイノリティになる環境で働きたいか、ということを問う必要があると思う。

オーストラリアはmulticultural country(他文化国家)です。                 
本当に多様な民族、文化の集まり。                     
だからこそEgalitarianism(平等主義)を掲げてる。                   

                            

とはいえど、民族ごとにゲットみたいな地域はあるし、職場だって学閥や民族、なんとなくの派閥はある。                         
うちの会社は英国系・業界では国内最大規模だが、それを例にあげると、上の方のある職位を超えると、白人男性が大部分を占めたりしているので、もう少し多様性を持たせよと人事戦略がしかけられたりする。 
(能力・仕事量に応じたものだから、女性が少なくても仕方ないという議論は別の切り口からまた書きたい!
(^ω^))                

                            

私はアジア人女性のくくり♀。                     
10年くらい前は会社にあまりいなかったらしいが、最近は人事の努力あり、増えているらしい。              

でも日本も人種差別の話でいうと、外国人は移住するのは難しいし                       
年間にオーストラリアで受け入れる難民の数は、日本の比にならない。                   
だから人種差別はどこでもあるということです。                          

                            

オーストラリアにあるスーパーの求人の話                       

どこぞの大手スーパーが求人に「オーストラリア永住者優遇。できれば白人。」のようなことを書いて、Fair work act(労働基準法的なもの)にひっかかったそうな。                 
能力として「ネイティブレベルの英語求められる」というのはOK 。実際はビザの問題などあるから、永住権のある人を探しているのはよくあること。                       
でも民族、国籍で労働者をTriage(選別・選定)するのはだめということ。                    

                            

人種差別は根本的にどこの国でもなくならないものだと思う。                 
どこにでも他者に対して優位性を感じることで自己価値を担保したいという考え方が、悲しいことに、ある。それこそが、本能的な生存競争なのだと思う。                     

それを避けて、移住するなら差別されにくいあの国を目指そう、
などというのは結構ナンセンスだと思うのです。                         

だってそこで日本人なら差別されないのかもしれないけど、それなら他の民族がその国では差別されているから。
人種差別は普遍的な問題。労働環境を考えるにあたり向き合っていかなくてはならない大事な話。海外で働くときには実務に加えてそういう問題を抱えて生きていく。
そこには抵抗はないか、ということ。                   

様々な問題はあるけど、異国でも夕日はいつだって優しく光っている。